給湯器交換にかかる時間と流れについて解説

給湯器

# 豆知識

給湯器交換にかかる時間と流れについて解説

給湯器は、私たちの生活にお湯を供給してくれる生活必需品です。
もし、給湯器の交換が必要になってしまったときは、どのくらいの時間で交換できるのか、気になりますよね。

そこで本記事では、給湯器交換にかかる時間と交換完了までの流れを解説します。
「時間がかかるなら、交換は延期しようかな」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

給湯器交換にかかる時間

給湯器の交換にかかる時間は、在庫の有無と工事の規模に大きく左右されます。

交換業者がご希望の給湯器の在庫を持っており、かつ工事が小規模な場合は、半日程度での交換が可能です。
一方で、在庫の問い合わせや大規模な工事が必要なケースでは、交換が完了するまでに数日を要することもあります。

また、既使用品と同じ機種の給湯器に交換する際は、半日ほどしかかかりませんが、電気給湯器からガス給湯器に変更するなど、異なる種類に交換する場合には数日必要です。

さらに、交換する給湯器の種類によっても、作業時間が変わってきます。
次で、具体的な作業時間を解説しますので、参考にしてください。

一般的な給湯器の交換にかかる作業時間

特別な機能が備わっていない一般的な給湯器の交換なら、2~3時間で終わります。

ただし、給湯器の在庫がない場合や設置環境が特殊で工事が大規模になる場合は、この限りではありません。

エコジョーズや熱源機の交換にかかる作業時間

エコジョーズとは、排気熱を有効活用する省エネタイプの給湯器のこと、熱源機とは床暖房や浴室乾燥機などにお湯を供給する機器のことです。
熱源機のうち、給湯機能がついているものは、給湯器と同様に交換が必要になります。

エコジョーズや熱源機などの高機能な給湯器を交換する場合の作業時間は、2〜4時間です。
一般的な給湯器よりも作業工程が増えるため、工事にも時間がかかります。

リモコン交換や試運転の作業時間

給湯器は屋外に設置されていますが、リモコン交換や試運転の際は、室内での作業となります。

リモコン交換にかかる時間は、15分ほどです。
試運転にかかる時間は30分ほどですが、床暖房や浴室乾燥機の試運転も行う場合は、1時間程度の作業時間が発生します。

試運転でトラブルが起こった場合は、さらに時間がかかるため、スケジュールに余裕のあるときに交換を依頼しましょう。

交換にかかる時間を短くする方法

工事中はお湯が使えず不便ですから、できる限り早く交換を済ませたいですよね。

給湯器交換を短時間で終わらせるには、なるべく現在お使いの給湯器と同じ機種のものに交換するとよいでしょう。
メーカーや型番は、給湯器本体に貼られているステッカーで確認できます。

ただし、同じ機種に交換する場合であっても、条件によって作業時間に違いが出ることもあります。
次で詳しく紹介しますので、お持ちの給湯器がどちらの条件に当てはまるのか確認してみてください。

給湯器の設置タイプによる作業時間の違い

ここからは、給湯器の設置タイプごとに、交換にかかる時間を解説していきます。

一般的な設置タイプの場合

一般的な設置タイプとは、「壁掛け設置」、「据え置き設置」、「PS設置」を指します。

壁掛け設置は、外壁やベランダの壁に給湯器を掛けるように設置する方法で、戸建て・集合住宅のどちらでもよく見られます。
対して、屋外のブロックや地面の上に給湯器を置く据え置き設置は、戸建て特有のものです。
集合住宅の玄関通路にあるPS(パイプスペース)に給湯器を設置する方法は、PS設置とよばれます。

お使いの給湯器が、こうした一般的な設置タイプであれば、1時間半~2時間ほどと短時間で交換できます。

特殊な設置タイプの場合

稀ではありますが、古い集合住宅などでは、建物の2階や3階などの高所に給湯器が設置されています。

はしごやロープ、高所作業車などを使用して交換するので、高所作業車の手配や安全対策に時間を要します。
時間はだいたい2~5時間ほどかかることが多いです。

なお、業者によっては、高所作業に対応していないところもあるので、確認が必要です。

排気方法による作業時間の違い

給湯器交換にかかる時間は、排気方法によっても異なります。
ここからは、排気方法ごとの作業時間の目安を紹介します。

一般的な排気方法の場合

一般的な排気方法の給湯器であれば、1時間半~2時間で交換が完了します。

本体の正面から排気する「標準排気」や、排気カバーを取りつけることで排気する方向を調整する「アルコーブ排気」が、一般的な排気方法にあたります。

これらの場合は、工事の作業工程が少ないため、あまり時間がかかりません。

特殊な排気方法の場合

一方、本体の上部から排気する「上方排気」や、後ろから排気する「後方排気」など、特殊な排気方法の給湯器の交換には、1時間半~5時間と、長い時間がかかります。

これらには排気筒の取りつけが必要なため、作業工程が増えるほか、取りつけに手間取ると、作業時間がさらに延びてしまいます。

FF式の給湯器の場合

FF式の給湯器とは、機器内部のファンで空気の流れを作り出し、本体に取りつけられた2本の管で吸気と排気を行う給湯器です。
室内設置の給湯器には、このFF式が採用されていることがあります。

室内の設置スペースは狭くて作業しづらい環境であるうえに、珍しいFF式は取り扱いに慣れている業者が少ないため、交換に時間がかかります。
目安の作業時間は2~5時間ほどです。

給湯器交換の流れ

給湯器交換にかかる作業時間は条件によって変わってきますが、見積もりから交換工事までの流れは基本的に同じです。
以下で紹介しますので、参考にしてみてください。

業者を探し見積もりを取得する

まずは、給湯器交換が可能な業者を探し、見積もりを取ることです。

見積もりの金額は、給湯器本体の価格にくわえ、設置場所の条件でも変わります。
見積もりには基本的に現地調査が必要ですが、給湯器の写真を送るだけで金額を提示してくれる業者もいます。

ほとんどの業者が無料で見積もりを行っているので、気軽に問い合わせてみてください。

>>> 関連記事:給湯器の交換はどこに頼むの?選び方を解説

工事を依頼し日程を調整する

交換を頼みたい業者が決まったら、正式に工事を依頼します。

依頼を受けた業者が給湯器の在庫を持っている場合は、すぐに日程調整ができますが、取り寄せが必要な場合は時間がかかってしまいます。
交換を急いでいる方は、給湯器の在庫が豊富な業者を探すとよいでしょう。

また、在庫があっても、工事の予約が埋まっているために、着工まで日数が空く場合もあります。

なお、給湯器交換は基本的に屋外の作業であるため、在宅していなくてもよいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、交換後の試運転の際に立ち合いが必要です。
日程調整の際は、工事が終わるまで在宅できる日を選んでください。

工事を依頼する段階で、その業者がご希望の支払い方法に対応しているかどうかも、聞いておきたいところです。

給湯器やリモコンを交換してもらう

工事当日は、今まで使用していた給湯器の配管を取り外し、古い本体を撤去するところから始まります。
配管を取り外すのは、あくまで給湯器を撤去するためなので、交換後も既存の配管はそのまま使用することが可能です。

その後、新しい給湯器やリモコンを設置し、配管や配線をつなぎます。
仕上げに、凍結や外部の衝撃から配管を保護するテープ巻いて、工事は完了です。

基本的な工事の流れは以上ですが、設置タイプや排気方法によっては、さらに工程が増える可能性もあります。

なお、ほとんどの場合、工事前に現場の担当者から一連の作業に関する説明があるので、工事に関して不明点がある場合はそのときに聞いておきましょう。

新しい給湯器の動作確認に立ち会う

取りつけ工事の完了後は、実際にお湯を沸かして試運転を行い、不具合がないかどうかをチェックします。
試運転の際は、以下の3つのポイントを確認してください。

給湯器の試運転時に確認するポイント

  • きちんとお湯が沸いているか
  • リモコンが正常に動作するか
  • 給湯器本体や配管からガス漏れや水漏れがないか

給湯器を既存のものとは異なる機種に変えた場合は、その場で一度リモコンを操作し、不明点は業者に確認しておくと安心です。

なお、リモコンの設置にはシーリングという、防水効果のある接着剤が使用されています。
シーリングは硬化するまで時間がかかるため、設置された直後は、接着部分に触れずに操作するようにしてください。

>>> 関連記事:給湯器の交換方法と交換の流れをチェック

給湯器を交換するタイミングとは?

給湯器は生活に欠かせないものであるため、故障してから交換を依頼すると、不便な思いをします。
ここからは給湯器交換のタイミングを解説しますので、ご自宅の給湯器にも当てはまるかどうか、チェックしてみてください。

給湯器の寿命

給湯器の寿命は、交換目安の1つです。

使用開始から、10~15年ほどで、給湯器は寿命を迎えるとされています。
古い給湯器を使いつづけているご家庭もあるかもしれませんが、10年を超えて使用している場合は、いつ故障してもおかしくない状態です。
寿命の限界を迎える前に、余裕をもって交換することをおすすめします。

給湯器を早めに交換したほうがよい理由は、もう1つあります。
それは、給湯器メーカーの部品の保管期限が、その商品の生産終了から約10年であることです。
あまり古い給湯器を使いつづけると、いざ修理となっても適合する部品がなくなってしまいます。
給湯器は10年周期で交換し、定期的なメンテナンスを行いましょう。

交換時期を示すサイン

給湯器が故障する前兆を見つけた際も、交換のタイミングです。
故障前の給湯器に見られる兆候は、以下のとおりです。

給湯器の交換時期を示すサインの例

  • お湯が温度設定どおりに沸かない
  • 追い炊き機能が使えない
  • 給湯器から異音や異臭がする
  • 給湯器を稼働させるとガス臭い
  • 給湯器から黒煙が出る
  • メンテナンスを促すエラーコードが表示されている

給湯器本体が焦げ臭かったり、黒煙を上げていたりする場合は、内部で不完全燃焼が起こっている可能性があります。
非常に危険な状態ですから、ただちに使用をやめ、業者に異常を通報してください。

一方で、白い煙は給湯器の排気や水蒸気の可能性が高いため、異臭がない場合は心配いりません。

メンテナンスを促すエラーコードは、「88」または「888」と表示されます。
給湯器の標準使用期限が過ぎたことを知らせるもので、表示されたからといって故障を意味するものではありません。
なお、このエラーコードは、リンナイやノーリツ、パロマといったメーカーで共通しています。

寒くなる前に交換する

給湯器を交換するタイミングには、冬場よりも暖かい時期がおすすめです。

工事中はお湯が使えなくなるため、寒い時期に交換を行うと、お風呂に入れないだけではなく、洗い物でも冷たい思いをすることになります。

前述のように、給湯器の設置状況や交換する種類によっては、工事が数日に及ぶケースもあるため、前もって春や夏に交換しておくのも1つの手です。

給湯器交換の依頼は、冬場の10月~2月に多くなるといわれています。
故障してから業者に問い合わせても、なかなか工事の予約が取れないという事態に陥る可能性もあるので、注意が必要です。

>>> 関連記事:給湯器交換の目安と交換を検討するべきタイミング

給湯器の状況によって交換にかかる時間は変化する

いかがでしたでしょうか?

給湯器交換にかかる時間は、各ご家庭の状況によって変化します。
作業時間を左右する要素は、給湯器の在庫の有無や工事の規模、設置タイプや排気方法の違いなどさまざまです。

給湯器の寿命は10~15年とされていますが、急な故障で慌てないよう、普段から給湯器の状態に気を配り、交換の際は早めに業者に依頼しましょう。

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