【戸建てとマンションの違い】給湯器を設置する位置はどこ?
生活必需品ともいえる「給湯器」ですが、法律で基準が定められているため、好きな位置に設置できるとは限りません。
また、お住まいの状況に応じて設置できる位置も異なります。
そこで本記事では、給湯器を設置する位置の基準や、戸建てとマンションに給湯器を設置する際の違いを解説します。
給湯器を設置する位置で迷われている方は、ぜひご覧ください。
給湯器を設置する位置には基準がある?
給湯器を設置する位置は、法律で義務づけられています。
この基準を満たさなければ、最悪の場合、命にまで危険がおよぶかもしれません。
安全に給湯器を利用するためにも、ここでは具体的な基準を紹介します。
給湯器を設置する際の基準
上方 | 前方 | 下方 | 側方 | |
可燃物と排気口出口の隔離距離 | 300ミリ | 600ミリ(不燃材料使用場では300ミリ以上) | 150ミリ | 250ミリ |
可燃物と機器本体の隔離距離 | 150ミリ | 150ミリ | 10ミリ | 150ミリ(10ミリ以上の機器もあり) |
開口部と排気口出口の隔離距離 | 建物開口部から300ミリ(300ミリ以内でも実長が600ミリ以上離れていれば除く) | – | 排気口から150ミリ | 150ミリ |
修理・点検のためのスペース | – | 600ミリ | – | 150ミリ 給湯器を設置する際の基準 |
これらの基準を満たしていれば、自由に設置することができます。
隔離距離の基準を満たしていない際に起こり得るリスク
給湯器の設置に、「これだけ多くの基準を満たさなければいけないのか」と面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、給湯器の設置基準を守らなければ、次のようなリスクがあります。
火災が発生する
給湯器の近くに可燃物を置いてしまったことで、火災につながるかもしれません。
給湯器の排気口から出る排気熱は200℃にもなるため、近くに可燃物があると引火するおそれがあります。
そのため、火災が起きないように、給湯器には設置基準が設けられているのです。
ガス給湯器が不完全燃焼を起こす
給湯器の給気口、排気口近くに障害物があると、給排気の妨げになってしまいます。
そのため、給湯器が原因で不完全燃焼が発生します。
このときに懸念しなければならないことは、一酸化炭素の発生と給湯器の停止です。
不完全燃焼により発生する一酸化炭素の症状としては、頭痛・めまい・吐き気・不快感などが挙げられます。
これらの症状が悪化すれば、最悪の場合、死に至ることもあります。
また、不完全燃焼によって給湯器が停止する可能性も考慮しなければなりません。
給湯器には、機器内にある2か所のセンサーから温度を測定し、その温度差から不完全燃焼を判定して給湯器の運転を緊急停止させる、不完全燃焼防止装置が搭載されています。
また、再使用禁止機能により、不完全燃焼防止装置が3回連続で作動すると、再点火できない仕様の給湯器もあります。
万が一の場合に備えて、給湯器にはさまざまな安全装置が組み込まれていますが、トラブルが発生する危険性は避けられないので、給湯器との隔離距離は守りましょう。
給湯器を設置する位置
給湯器には、「屋内タイプ」と「屋外タイプ」の2種類がありますが、どこに設置するべきか迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それぞれの設置タイプと特徴を紹介するので、お住まいの状況と照らし合わせてご覧ください。
屋内設置タイプ
屋内に給湯器を取り付ける方法には、「壁掛型」と「浴室据置型」があります。
屋内設置の場合、壁掛型で設置されることがほとんどですが、浴室用の給湯器の場合は浴室据置型が一般的です。
また、排気を屋外に出さなければならないため、給排気の方法も以下のように分類されます。
給排気の方法
- CF式(自然排気式):排気を自然に行うことができる
- FE式(強制排気式):ファンを使用して強制的に排気する
- BF式(自然給排気式):排気を自然に行うことができる
- FF式(強制給排気式):ファンを使用して強制的に排気する
CF式とFE式では、屋内のガスを利用してガスを燃焼させますが、BF式とFE式では、屋外のガスを取り込み、ガスを燃焼させます。
屋内に給湯器を設置する際は、取り付ける方法だけではなく、給排気の方法についても業者に相談しましょう。
屋外設置タイプ
屋外に給湯器を取り付ける方法は、「壁掛型」「据置型」「PS設置タイプ」の3つです。
設置スペースに余裕がある場合は据置型、余裕がない場合は壁掛型と使い分けられています。
PS設置タイプは、マンションやアパートなどの集合住宅でよく見られます。
設置する位置は、玄関横などにあるパイプスペース(PS)とよばれる空間です。
扉がついているタイプと、給湯器本体が見える扉がついていないタイプがあります。
戸建てとマンションにおける給湯器を設置する際の違い
戸建てとマンションに、給湯器を設置する際にどのような違いがあるのかを紹介します。
戸建ての場合
戸建ては、マンションと比べると給湯器の位置を気にせずに設置できます。
そのため、給湯器を設置する位置の基準さえ満たしていれば、自由に選べます。
屋内での火災のリスクを考えて、屋外に設置されることがほとんどです。
マンションの場合
マンションの場合、自由に設置できるとは限りません。
すでにパイプスペースに設置されている場合は、新しい給湯器に交換する際に、スペースに収まるように考慮する必要があります。
マンションの場合は、状況に合った給湯器を選びましょう。
給湯器業者の選び方
給湯器業者を選ぶ際に、チェックしておきたいいくつかのポイントがあります。
それでは、どういったところに注意する必要があるのかを紹介します。
スタッフの対応
親身に相談に乗ってくれる業者と対応が雑な業者では、印象はまったく違いますよね。
たとえ、いい仕事をしてくれる業者であっても、対応が雑だとあまり気持ちのよいものではないでしょう。
そこで、専門業者を選ぶときはスタッフの対応を見極めることが大切です。
事前に、どのような方がスタッフなのかを確認することは、難しいように感じるかもしれませんがそんなことはありません。
たとえば、現地調査に出向いてくれる、または相談に乗ってくれる業者であれば、対応を確認することは容易です。
また、電話やメールでも業者の対応を判断できるため、お困りの際は確認してみてください。
保証やアフターサービス
給湯器を購入する際は、本体価格や工事費用など、チェックしなければならないことはいくつかあります。
しかし、購入して満足するのではなく、購入後のことも視野にいれておくことが大切です。
給湯器は機械なので、時間が経つごとに故障する可能性が高くなります。
しかし、業者によっては保証が短い場合があります。
故障時には、保証が切れているかもしれません。
そういったことを避けるためにも、どのくらいの期間保証があるのかは確認しておきましょう。
また、保証だけに限らず、アフターサービスでも同じことが言えます。
アフターサービスがついていない業者であれば、購入後に何か問題が起きたとしても対応してくれないなんてことがあるかもしれません。
そのため、業者選びは、購入後のことも考えて選びましょう。
口コミや実績
口コミや実績は、その業者の経験や利用者からの言葉など、その業者の評価が顕著にあらわれています。
そのため、業者を口コミや実績で判断することは一つの良質な判断材料と言えます。
しかし、口コミや実績だけで業者を決めるのはおすすめできません。
なかには、売れ行きがよい雰囲気を装った業者がいることもあります。
口コミや実績は一つの判断材料として利用し、最終的には自身で判断することが大切です。
>>> 関連記事:給湯器の交換はどこに頼むの?選び方を解説
給湯器を設置できる位置は事前に確認しておこう
いかがでしたでしょうか。
給湯器を設置する位置は、法律で基準が定められているため、自由に設置することはできません。
そのため、給湯器を設置できる位置やお住まいの状況は事前に確認することが大切です。
また、事故に遭ってからでは遅いため、基準を満たした場所に設置しましょう。
ライフアドバンスジャパンでは、給湯器を設置するための現地調査やお見積もり依頼を無料で承っております。
給湯器を設置する位置にお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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