エコキュートが故障する原因とは?耐用年数の目安も紹介
エコキュートを導入されている方のなかには「お湯が出ない」「浴槽からお湯があふれる」といった症状にお困りの方もいらっしゃるでしょう。
これらの症状は、エコキュートの故障が原因である可能性が高いため、早急に修理を依頼しなければなりません。
本記事では、エコキュートが故障する原因や耐用年数の目安、買い替えを検討する基準などを詳しく紹介します。
エコキュートを快適に使いたいとお考えの方は、最後までご覧ください。
エコキュートが故障した際に生じる主な症状と対処法
エコキュートは耐用年数に優れているものの、あくまでも機械であるため、永久的に使うことはできません。
経年によって本体内部の部品は劣化するため、エコキュートの使用頻度が高い場合や、長期的に使用を続けた場合などは、機種が故障することがあります。
エコキュートが故障した場合に生じる主な症状とあわせて、効果的な対処法を以下で紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
症状①足し湯の機能が使えない・お湯がでない
「足し湯の機能が使えない」「蛇口をひねっても水しかでてこない」という場合は、まずはお湯が切れている可能性を疑いましょう。
エコキュート本体を一度リセットしたうえで、タンク内のお湯を手動で満タンにする「沸き増し機能」を使って、お湯がでるかどうかを確認します。
もし、上記の方法を試みたにもかかわらず、状況が改善されない場合は、温度を調整する基盤や温度検知器などが劣化していることが考えられます。
これらの部品の劣化は個人では解決することが難しいため、早急に専門の業者に連絡して修理・交換を依頼しましょう。
症状②浴槽からお湯があふれる
お湯張り機能を使った際に、浴槽からお湯があふれる場合は、以下の原因が考えられます。
浴槽からお湯があふれる主な原因
- 湯量が誤って設定されている
- 浴槽内に残り湯がある状態でお湯はり機能を使用している
- 浴槽の循環口に汚れが詰まっている
上記の内容を改善したにもかかわらず、お湯があふれる状況が続く場合は、浴槽の水面の高さを調節する「水位センサー」が故障している可能性があります。
水位センサーの故障は、個人で修理することは困難であるため、専門の業者に修理あるいは交換を依頼しましょう。
症状③お湯の温度が安定しない
エコキュートの使用を続けると「シャワーからでてくるお湯がいきなり水になる」「お湯の温度が熱すぎる」といった症状が現れることがあります。
このような場合は、お湯の温度を調節する「混合水栓(サーモスタット水栓)」に問題が生じている可能性が考えられます。
もし、設定温度を調節したにもかかわらず、お湯の温度が安定しない状況が続く場合は、蛇口あるいは水栓に不具合が生じている可能性が高いです。
蛇口や水栓のトラブルは個人で解決することが難しいため、専門の業者に修理あるいは交換を依頼しましょう。
また、お湯の温度が安定しない原因が、水栓とエコキュート本体のどちらにあるのかがわからないという場合は、両方のトラブルに対応できる業者に依頼することをおすすめします。
>>> 関連記事:「給湯器から出るお湯が熱い……」考えられる原因と対処方法
症状④エコキュート本体やヒートポンプユニットから水が漏れる
エコキュートにおけるトラブルのなかでも、エコキュート本体やヒートポンプユニットから水が漏れるという症状は多く見受けられます。
「沸き増し機能」の使用中に生じる水漏れは、タンク内の水がお湯に変わることにより体積が増えることが原因であるため、故障によるものではありません。
しかし、エコキュートを使用していない状態であるにもかかわらず、エコキュート本体やヒートポンプユニットから水が漏れている場合は、以下のような原因が考えられます。
エコキュート本体やヒートポンプユニットから水が漏れる主な原因
- エコキュート本体が劣化している
- タンクが割れている
- 水道管のつなぎ目が劣化あるいはナットが緩んでいる
- 水道管が破裂している
- 水道管内の水が凍結している
水漏れが生じる原因によって修理方法も異なるため、エコキュート本体やタンクなどを確認したうえで、どの部分から水漏れが生じているのかを確認しましょう。
もし、エコキュートを導入したばかりであるにもかかわらず、水が漏れている場合は、エコキュート本体の初期不良、あるいは業者による施行不良が考えられます。
このような場合は、速やかに工事を依頼した業者に連絡したうえで、施工のやり直しを依頼しましょう。
>>> 関連記事:エコキュートが故障する原因とは?耐用年数の目安も紹介
症状⑤エコキュート本体から異音が聞こえる
エコキュートは、大気中の熱エネルギーを取り込んでお湯を沸かす「ヒートポンプ」の原理を利用してお湯を沸かすものであり、稼働中には「ブーン」という音が聞こえます。
この音の大きさは、「深夜の住宅地」「昼の市内」に相当する40dB程度だとされているため、普段から気になることはありません。
ただし、「突然、稼働中に音が大きくなる」「笛の音や破裂音のような音が聞こえる」という場合は、エコキュート本体に異常が生じていることが考えられます。
たとえば、エコキュート本体から「ピー」という音が聞こえる場合は、ファンモーターの不具合によって酸素の供給が不足し、不完全燃焼を起こしている可能性が高いです。
また、「ボンッ」「パンッ」といった破裂音が聞こえる場合は、ガス漏れを起こしていることが考えられます。
エコキュート本体から聞こえる異音の原因がガス漏れによるものである場合は、健康に被害を及ぼすこともあるため、早急に専門の業者に修理を依頼しましょう。
>>> 関連記事:給湯器から聞こえる音の原因は? 危険な音と正常な音の聞き分け方
症状⑥エコキュート本体やお湯から悪臭がする
エコキュート本体、あるいはエコキュートを使って沸かしたお湯から異臭がする原因は、エコキュート本体やタンク内、水道管内に汚れが溜まっていることが考えられます。
このような場合は、お湯を使用しているうちにニオイは次第に消えるため、過度に心配する必要はありません。
お風呂周りの設備は高温多湿で、雑菌が繁殖しやすい環境にあるため、定期的に掃除を行わないと悪臭を放つことがあります。
また、掃除をしっかりと行っている場合であっても、浴室の使用頻度が高い場合や、換気を行わない場合においても、雑菌が繁殖することも少なくありません。
このような悪臭を改善ならびに予防するためにも、エコキュート本体をはじめとした浴室周りの設備は日頃から掃除を徹底したうえで、清潔な状態を保つことを心がけましょう。
もし、普段から掃除を徹底しているにもかかわらず悪臭が改善されないという場合は、エコキュートがガス漏れを起こしていることも考えられます。
このような場合は個人で解決しようとせずに、早急に専門の業者に連絡することをおすすめします。
>>> 関連記事:給湯器がガス臭い原因とは?交換を依頼する際の流れも紹介
症状⑦エラーコードが表示される
エコキュートを使用していると、リモコンや操作パネルに、異常を知らせる「エラーコード」が表示されることがあります。
エラーコードが意味する内容はメーカーごとに異なるため、メーカーのホームページや取扱い説明書を確認したうえで、エラーの内容を確認しなければなりません。
また、エラーコードの種類は、軽度のものから重度のものまでさまざまであり、内容によっては個人で解決できる場合もあります。
たとえば、「タンク内のお湯が不足している」「お風呂の栓が開いている」といったことを知らせるエラーコードであれば、簡単な操作で解決ができるでしょう。
しかし、「循環液が不足している」「断水している」ことを知らせるものであれば、個人で解決することは困難です。
個人が無理に修理を試みると、状況が悪化してしまう可能性もあるため、修理に不安を感じる場合は、業者に確認および修理を依頼しましょう。
症状⑧リモコンが操作できない
エコキュートのリモコンが操作できないという場合は、以下の原因が考えられます。
エコキュートのリモコンが操作できない主な原因
- 電源が切れている
- 配線が断線している
- 節電モードに設定されている
- ロック機能が作動している
- 液晶部分が壊れている
- エコキュートの異常を知らせるエラーコードが表示されている
リモコンの電源が切れている場合や、節電モードに設定されている場合などは、簡単な操作で解決が可能です。
しかし、リモコン内部の配線が断線している場合や、液晶部分が壊れている場合などは、個人で解決することは非常に難しいため、専門の業者に修理を依頼する必要があります。
>>> 関連記事:給湯器のリモコンが故障した際の確認項目と解決方法
エコキュートが故障するパターン
エコキュートの故障は、大きく「初期故障」「偶発故障」「摩耗故障」の3つに分けられます。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
初期故障
「初期故障」とは、エコキュート本体を設置してから間もない時期に起こる故障のことです。
故障の主な原因は、業者の施工ミスや、エコキュート本体の初期不良によるものであり、利用者の使用方法に原因があると判断されることはありません。
そのため、施工業者あるいはメーカーに直接連絡すれば、無償で対応してもらえます。
ただし、定められている保証期間を過ぎた場合は無償修理の対象外と見なされるため、工事を行う前には、保証期間ならびに保証が適用される条件を確認しましょう。
偶発故障
「偶発故障」とは、エコキュート本体を設置する段階において生じていた小さな不具合が、経年にともない大きなトラブルに発展し、結果的に故障につながることです。
この偶発故障が生じる原因は、業者の施工ミス、あるいはエコキュート本体の初期不良によって起こることなどが原因である可能性が高いです。
しかしながら、設置から時間が経過したのちに、そのことを証明することが困難であるため、保証の対象に含まれないことも少なくありません。
エコキュートを設置した直後に発生した小さな違和感が、あとになってから大きな故障につながることだけは避けなければなりません。
そのため、エコキュートの使用中に不具合や異音などを感じた場合は、放置せず、速やかに業者にメンテナンスを依頼しましょう。
摩耗故障
「摩耗故障」とは、エコキュートを長期間使用することによって、内部の部品が劣化することにより摩耗し、結果的に故障が発生することです。
エコキュートの耐用年数は、機種のタイプや使用頻度などによって異なるものの、10~15年ほどが目安だとされています。
そのため、エコキュートを設置してから10年以上が経過している場合は、本体の修理あるいは交換を視野に入れることをおすすめします。
【ユニット別】エコキュートの寿命の目安
エコキュートの寿命はユニット(機能)によって異なります。
ユニット別の機能の詳細(役割)、ならびに寿命の目安は以下のとおりです。
エコキュートの寿命の目安
ユニット名 | 機能の詳細(役割) | 寿命の目安 |
ヒートポンプユニット | 大気中の熱を吸い込んで熱を発生させる | 5~15年程度 |
貯湯ユニット | 沸かしたお湯を貯蔵する | 10〜15年程度 |
リモコン | エコキュート状況を確認・操作する | 5~15年程度 |
いずれのユニットであっても、寿命の上限は15年が目安だとされています。
この年数はあくまでも目安であるため、場合によっては20年以上経過しても問題なく使用できるケースも存在します。
ただし、いつ故障するのか分からない状況で使用することはリスクが高い行為でもあるため、寿命の上限の目安を迎えたエコキュートは、なるべく早めに交換しましょう。
エコキュートを修理あるいは交換する場合にかかる時間の目安
エコキュートの修理、あるいは交換にかかる時間は、機種のタイプや設置されている環境などによって変動するものの、ほとんどの場合では4〜7時間程度で終わります。
ただし、エコキュート本体を取り替えあるいは移動する必要がある場合や、部品を取り寄せなければならない場合などは、修理や交換に数日かかることも考えられます。
エコキュートを使用できないと、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、工期の目安は事前に確認しましょう。
>>> 関連記事:給湯器交換の流れと交換にかかる時間・日数は?
【メーカー別】保証期間の目安
エコキュート本体が故障した場合は、施工を対応した業者とは別に、エコキュートのメーカーが独自に品質を保証する「メーカー保証」が適用される場合があります。
メーカーが設けている保証期間の目安は以下のとおりです。
エコキュート本体のメーカー保証期間の目安
メーカー名 | 標準保証期間・無料保証期間 | 延長保証期間・有料保証期間 |
パナソニック | 1年 | 5年・8年・10年 |
三菱電機 | 2年 | 5年・8年・10年 |
コロナ | 2年 | 5年・8年・10年 |
日立 | 1年 | 7年・10年 |
パナソニック | 1年 | 5年・8年・10年 |
エコキュートの交換を判断する基準
エコキュートは経年により劣化するため、永久的に使うことはできません。
以下のケースにあてはまる場合は、エコキュート本体を交換することをおすすめします。
エコキュート本体の交換を検討したほうがよいケース
- エコキュートを設置してから10〜15年以上が経過している
- 高い頻度でエラーが生じる
- 修理を行ったにもかかわらず、すぐに故障する
- 修理にかかる費用が高額である
- 部品の取り寄せに時間がかかる
上記にあてあまる場合は、エコキュートが寿命を迎えている可能性が高いため、専門の業者に本体の交換を依頼しましょう。
エコキュートの修理・交換を依頼する業者を選ぶ際に押さえておきたいポイント
エコキュートの修理や交換に対応している業者の数は非常に多いため、どの業者に依頼すればよいのかがわからないとお困りの方もいらっしゃるでしょう。
エコキュートの修理や交換を依頼する業者を選ぶ際に、重視しておきたいポイントは以下のとおりです。
ポイント①対応が早い
エコキュートが故障すると、入浴をはじめとした日常生活に支障がでることが考えられます。
快適な日常生活を送るためにも、「業者が来るまでに時間がかかる」「修理に何日も時間がかかる」といった事態は避けなければなりません。
そのため、エコキュートの修理や交換を依頼する際は、業者がすぐに駆けつけてくれるか、そしてスピーディに対応してくれるかどうかを重視することをおすすめします。
また、少しでも早くエコキュートの修理や交換を依頼したいという場合は、土日祝日や早朝・夜間であっても対応できる業者を選ぶことを視野に入れましょう。
ポイント②有資格者が在籍している
エコキュートの修理や交換を対応する業者のなかには、施工の技術が低い、あるいはエコキュートに関する知識が不足している業者も多く存在します。
また、エコキュートを設置するためには「第二電気工事士」「排水装置主任技術者」などの資格を有していることが必須であるものの、無資格で対応している悪質な業者もいます。
このような業者に依頼すると、エコキュートの設置後に故障が生じることや、本体の設置後に修理を依頼した際に、適切な対応をしてもらえないことも考えられるでしょう。
安全にエコキュートを修理あるいは交換するためにも、業者を選ぶ際は、有資格者が在籍しているかどうかを確認しなければなりません。
なお、水道法施行令で定められた基準を満たしている水道工事業者は「指定給水装置工事事業者」として公表されているため、あわせて確認することをおすすめします。
もし、上記で紹介した内容が確認できないという場合は、テレビCMをはじめとした広告を積極的に打ち出しているような、大手の業者に依頼することをおすすめします。
ポイント③見積もりやキャンセルが無料である
複数の業者を比較検討したうえで、もっともよい条件を提示してもらえる業者を選びたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
エコキュートの修理や交換にかかる費用は業者ごとに異なるうえ、正確な見積もりをだしてもらうためには、現場を確認してもらう必要があります。
「見積もりだけで高額な費用を請求された」「別の業者に依頼したらキャンセル料が発生した」といった事態を避けるためにも、見積もりやキャンセルが無料の業者を選びましょう。
もし、複数の業者に問い合わせる時間が確保できないという場合は、1回の問い合わせで複数の業者からの見積もりがとれる「相見積もりサービス」を利用することをおすすめします。
>>> 関連記事:給湯器の交換はどこに頼むの?選び方を解説
エコキュートが故障した場合は原因を確認したうえで業者に修理や交換を依頼しましょう
いかがでしたでしょうか。
エコキュートは経年によって内部の部品が劣化するため、使用頻度が高い場合や、長期的に使用を続けた場合などは、機械が故障することがあります。
「お湯がでない」「浴槽からお湯があふれる」といった症状が続く場合は、早急に業者に連絡したうえで、修理あるいは交換を依頼しましょう。
エコキュートを長期的に使うためにも、業者を選ぶ際は、有資格者が在籍しているかどうかや、見積もり料が発生するかどうかを確認することをおすすめします。
ライフアドバンスジャパンでは、エコキュートをはじめとした給湯器の修理や交換を対応しております。
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